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ウォール街のランダムウォーカー バートン・マルキール

おすすめランクA (2010/11/11)

賢明なる投資家と並び、最初に読んでほしい本です。金儲けの話には本当か嘘か分からないような話がごろごろしています。無駄な勉強をしなくて済むように最初に読むことをおすすめします。

「プロの運用する株式ファンドの長期成績は2/3以上はインデックスファンドより見劣りする。」
「ファンダメンタル派か砂上の楼閣派」
「市場で常に損をする人たちというのは大小さまざまなチューリップバブルの魅力に抵抗できないタイプの人」
「新規公開株の売り手の大半は経営者。業績がピークに達した時か、流行に乗せられた投資家の熱が最高潮に達した時に新規公開が行われる」
よくあるパターンです。優秀な企業に長期投資をしたければ、その業績がいつまで続くのかを見抜かなければなりません。
「周りの人が皆、理性を失って浮かれているときに冷静でいられるなら、すべてはあなたのものだ」
「アナリストというのはよほどのことでもない限り”売り”という表現を用いない。というのは相手企業との間の今後の投資銀行業務に悪い影響を与え、企業情報の窓口である経営者を怒らせるからだ。」
「過去10の買い推薦に対して1の売り推薦だった。」
「インターネットバブル時には100対1だった」
「ファイナンスの教授はデイトレーダーのパフォーマンスについて実証分析を行った。ほとんどのデイトレーダーはバブルのさなかも損を出していた。売買頻度の多い投資家ほど損失も大きかった」
「航空会社やテレビメーカーへの投資は初期の段階では利益を生まなかった。大事なことは新しい産業が経済や社会をどう変えるとか、どれだけ大きくなるかではなく、その企業が利益を生み出しそれを維持していくかだ。」
今クラウドなどともてはやされていますが同じことです。
「全知全能の神ですら正しい株価収益率はわかるまい」
「成長率の高さに対してどれだけのプレミアムを支払えばよいかという問題に絶対的な答えはない。」
「株は事実ではなく、期待に基づいて形成されるのである。」
「重要なファンダメンタル要因は一株当たり利益および配当の期待成長率とその持続期間。」
「将来の利益を予想することはプロでも容易ではない。」
「チャート分析の理論的根拠はない」
「たとえ証券アナリストの予想する成長率が正しかったとしてもすでに市場に織り込んでいる。」
この後の文章からするとアナリストが公開していることは織り込まれているとの主張のようです。後でも述べますが、市場が完全に織り込んでいるとは思えません。まず読んでない人もいるし、忘れる人もいるし、理解しない人もいるでしょう。感情に流されてしまう人、信じない人、信じれなくなる人もいるでしょう。
「成功するための3つのルール1.今後5年以上の利益成長率が市場平均以上の銘柄を買うこと2.ファンダメンタル価値以上になっている銘柄には手を出すな。3.”砂上の楼閣”を作れるようなストーリーが描ける銘柄を探そう」
ここは私が考えている方法と全く同じやり方です。効率的市場仮説の人なのでインデックス投資だけを進めているのかと思っていたのでびっくりしました。
「成功したテクニカル信者というものにお目にかかったことがない」
「ランダムだと認めることは難しい。人は秩序を好む。パターンを見つけようとする。純粋なばくちの世界でも同じ。直前の2,3本のシュートを決めた選手の次のシュートは成功しやすいと誰もが信じているが、心理学者の研究により迷信であることが証明された。」 パチンコ必勝法見たいなものですね
「太陽の黒点と株の値動きとの関係を本気で信じている人はごくわずかだろう」
株式ラジオをしているような株式評論家に月が満月とか言ってる人がいましたね。
「騰落レシオはコンピュータによる詳細な研究により意味がなかった。」
「信用残高も意味なし。移動平均の上下で買い売りのシグナルも嘘。グランビルも嘘」
「直近の転換点を一度ないしそれ以上予測したという人は常にいる。しかし継続的に予想をあてたという人はありえない。」 本当にそうかな?たとえばバフェットとか。しかし、安易に他人の市場予測のたぐいを信じないほうがよいでしょう。 「テクニカルアナリストは証券会社に雇われる数が増えている。顧客にヨットをもたらさないが、証券会社に手数料をもたらす」 「1960年〜1990年代までの間に起こった大きな上げ相場の62%がたった90日間だった。大きなキャッシュポジションを持つことはもったいない。」
ピーターリンチも同じことを言ってます。
「証券アナリストが産業分析や工場見学に基づいて行った予想も単純に過去を延長した結果と変わらなかった。しかも過去の延長は何の役にも立たない。」
「5年後の予想よりも1年後の予想のほうが成績が悪かった。」
「公益産業でもあてにならなかった」
バフェットは企業や証券アナリスト等が将来の利益予想をだすことには反対しています。
「証券アナリストが予想を誤る5つの原因1.ランダムに発生する事件の影響2.クリエイティブないかがわしい会計手法を用いた利益のねん出。3.多くのアナリストに見られる基本的能力の欠如4.セールス活動による拘束と運用部門への流出。5.大手証券会社における証券アナリスト業務と投資銀行業務との利益相反。」
1.については多くの人が想像していることだと思いますが、思いがけない事件と言っても企業が持続的競争力を失う事件というものに絞ればそんなにあることではないでしょう。2.エンロン等のことを言っているようです。エンロンの場合はバフェットの投資基準を満たしていません。3.銅の価格が1セントの上昇でもたらされる企業の利益は1ドルではなく10セントだったのに1ケタ間違えたまま公表した。またその業界のプロが証券アナリストの分析内容を見て全くデタラメだった。彼らは非常に怠慢で、自分自身の利益予想を作ろうともしない。他人の予想をコピーする。企業の経営者が配布する資料を租借せずうのみにする。経営者に豪華な接待をされて利益予想を高めにする。ということだそうです。ピーターリンチがいうには証券会社に就職する人のうち優秀な人はファンドマネージャーになりますがそうでない人はアナリストのままです。もしくはセールスマンになるんだそうです。4.最高給とりのアナリストは機関投資家向けセールスマンだそうです。なので時間がなくなるということ。またポートフォリオマネージャーに昇進するということです。5.アナリストの雇い主である証券会社を儲けさせるため、最大の収益源である投資銀行業務を儲けさせるために動く。タジマハール債を金利が支払われる可能性が低いとして売り推薦したアナリストが、タジマハール債を発行したドナルドトランプに怒られて首になった。タジマハール債はその後債務不履行になった。
「強い買い推薦銘柄のパフォーマンスを調べたところ、全く悲惨な結果に終わった。市場平均を3%も下回った。逆に強い売り推薦は平均を3.8%も上回った。」
「投資銀行部門を持つ証券アナリストの推薦は持たないところのアナリストと比べて明らかに結果が劣っている。」
「証券会社が新規公開の主幹事を務めたケースで買い推薦に従った投資家は元本の50%を失った。結局リサーチアナリストは投資銀行業務で引き受けた株式を強引に売りこむことによって給料をもらっている。発行会社に対してゴマをすってきた。」
「メリルリンチのアナリストが公には推薦してきた株を社内でのメールでは負け犬やクズ株と読んでいた証拠が見つかった」
「投資信託の成績は長期的には市場平均を下回る。しかし注目すべき例外があったピーターリンチが運用していたマゼランファンドはトップクラスの成績を維持し続けた。」
「公表されたファンダメンタル情報に基づく様々な投資手法について平均以上のパフォーマンスは上げられない。予想外の利益増や株式分割と言ったニュースが発表されるたびに、買っても市場の織り込む速度は速く利益を上げられない。株価はそのずいぶん前から反応している場合が多いということがわかっている。増配については将来への経営者の自信の表れであり、事実将来の利益の確かな指標。増配の発表に続いて株価が上昇する傾向もある程度見られるが、発表された月の終わりまでにはおおむね完全に反映されていることが分かっている。」
よいニュースを探してすぐに飛びつくという手法は誰でもやりそうですが意味はありません。マーケットの魔術師によると、昔は意味があったようです。ただこの文章は誤解を招くような内容です。最初の文章ではまるでファンダメンタルが役に立たないと言いたげですが、その後の説明の内容では、それに飛び乗るかどうかということしか書かれていません。あくまで公表されたファンダメンタルに基づく推薦に意味がないという程度のことでしょう。
「投資信託の現金比率と市場平均のピークとボトムを調べるとピーク時には現金比率が低く、ボトムのときには現金比率が高かった。運用担当者のマーケットタイミングを見極める能力はかなりお粗末である。」
つまり株を買っていなくちゃいけないときに売っていて、売らなければいけないときに買っている。
「1999年から2000年にかけてのバブルと市場が効率的であることは必ずしも矛盾するわけではない」
その根拠が説明されていません。その後に続く文章も歯切れが悪いですね。
「多くの参加者が非合理な判断を下していても、市場は効率的でありうるのだ。」
ありうるって?
「さらに株価がファンダメンタルと大きくかい離しても効率的でありうるのだ」
また意味不明です。
「市場が新しい情報を迅速に、そしてほとんどの場合適切に株価に反映するがゆえにそう信じるのである。」
ここにこの本の著者が言いたいことがすべて詰まっていますね。これまでの流れからいうと、アナリストのファンダメンタル分析は公開された段階ですぐに織り込まれるから、それを元にすぐに動いても意味がないということです。逆にいえばアナリストの分析をうのみにせず、自分で分析し、またバフェットやピーターリンチが言うように3年5年10年先を見て投資するやり方がよいということです。というのはたいていアナリストやニュース等で報道される内容ですぐに株価が動くのは通期の業績予想修正や、突発的に起きた事故、また為替などのマクロ指標にただ連動しているだけ等だからです。数年先に期待がもたれるようなニュースが出ていてもたいてい株価は動きません。その時に注目されているテーマに関する技術開発のニュースは動きますが、これには飛びついてはいけません。ちょっと前にレアメタルに関する技術開発を発表した企業が急伸していました。しかし実際に利益につながるかどうか不明なうえに市場が忘れるのも早いのでゆっくり待てチャンスをとらえるべきでしょう。
「とりわけ確信を強めるのはどんな投資家でも平均以上のリスクをとらずに平均以上のリターンを上げ続けることは非常に困難だという現実である。」
そもそもバフェットやロバートキヨサキがいうようなリスクとは根本的に違います。この本でのリスクとは株価の値動きの大きさでありベータという言葉で表します。これはビジネススクールで教えられるモダンポートフォリオ理論と呼ばれるものです。MBAの学生などが学ばされます。バフェットは彼らが間違ったことを教えていることを非難しています。そもそもリスクとは自分が何をしているのか理解していないときに起きるのです。バフェットは自分の限界を知り、知らないものには手を出さないようにするべきだと言ってます。ピーターリンチも同じです。
「株式市場全体の方向や、ここの銘柄の割高、割安を一貫して予測することは誰にもできない。」
バフェットやピーターリンチをはじめとして何人かいます。
「時として明らかな割高、割安が現れるがすぐに訂正される。」
バフェットはその時に出動します。ストライクゾーンの玉を狙ってホームランを打つ。そのチャンスが来るまで忍耐ずよく待つ。この忍耐というキーワードはピーターリンチを始め多くの投資家に出てくる重要な言葉です。
「誰もが1月に株価が高くなることに気づき、効果がなくなった」
ピーターリンチは税金や投信がらみで12月に安くなる傾向があると言ってましたが、やはり時がたてばそのような単純な手法は通用しなくなるようです。
「月曜日が高くなるというのは、1回の大暴落と手数料によって失われる。」
これも上記と同じようなものですし、偶然大きく動いた日によってそれまでの法則も変わります。
「よいニュースにすぐに飛びついても儲からない」
「手数料を考えればモメンタム投資はバイアンドホールド投資には勝てない」
「期初高配当利回りの銘柄を選択するという投資は役に立たない。だが長期間平均水準に比べて高い時期に投資すると超過リターンを得られる。」
2010年みたいな高配当状況の今にインデックス投資するとうまくいくということですが、著者はそれでもあれこれ言って市場の非効率性を表しているわけではないと述べてます。
「期初PERが低い時に投資するとうまくいく。」
と書いているといっても、その研究をしたのは上記と同じ他者です。これについても「低PERじゃなくなったときに売却して債券に移動したあとも株価が上昇し続けた」と非難めいたことを書いてます。しかしそのことと市場の効率さとなんの関係があるのかよくわかりませんでした。「市場のリターンを予測することはできない」と締めくくっています。 「小型株効果はあったが今後も続くかどうかはわからない」
小型株が成長するのはその企業に成長余地があるからではないでしょうか。ピーターリンチもそのことについて触れています。理論的根拠あるので有効だと思います。しかしある特定の期間のみに限定すると常に小型株が高いパフォーマンスを示すわけではないようです。 「すべて同じ条件の銀行が2つあり、一株益が10ドルでその半分が財務体質の弱い金利収入〜なっているとしよう。第一の銀行は10ドルすべてを利益として計上したが、第2の銀行は貸倒引当金とした。どちらの銀行のPERがより高いだろうか。」
著者は低PER戦略を否定するためにこのようなことを書いています。要するによく調べないとだめだということなのですが、これまでの内容はすべてPBR等の指標から単純にコンピュータでスクリーニングできるようなものばかりです。バフェットはもちろんこのようなことはしません。こういったことをしてファンダメンタリストを非難するのはおかしい気もしますが、ほとんどのファンダメンタリストはこのようなことしかしないのでしょうか?だとすれば彼の指摘は正しいでしょう。そしてどのようなことをしてをいけないのかを教えてくれているわけですからこの本はためになります。
「バリュー株とグロース株どちらがよいかは時期による」
ピーターリンチと同じことを言ってます。
「長期間市場平均を上回り続けたファンドは片手の指で数えられるほどしかなかった。」
投信ではありませんがバフェットはもちろん超えてます。一つはピーターリンチのマゼランファンドです。
「60年代は強気で80年代は弱気だった。非効率だった可能性も否定できない」
と書きながらもその後の文章でなぜかなんやかんやと非効率性を認めたがらない文章が続きます。どうも歯切れが悪いです。説得力を感じないというか苦しい感じがします。市場には効率的な面とそうでない面があると思います。というより長いスパンで見れば必ず非効率な面が訪れます。著者はきづいたのではないでしょうか?彼が最初に効率的市場仮説を書いたのは学生のころだったということです。その後時を経ながら、改訂を行い内容が変わってきているようです。
「バックミラーを見ながら運転してはいけない」
「リスクとリターンは比例する」
合理的に考えて当たり前のことです。価格が変動しない債券と変動する株が同じリターンしか得られないならだれも株を選択しないでしょう。株価の変動による精神的な苦痛というのは高いリターンを得るための対価と考えましょう。
「ある特定の1年をとってみて確実に満足のいくリターンを稼げる保証はどこにもない」
マーケットの魔術師の中で毎年20%のリターンを上げている人がいましたが、その他の魔術師が年平均100%(ときどきマイナス)のリターンを上げているのに比べて低いリターンでした。1年間苦痛に我慢する覚悟がないということは逆にトータルでの高リターンをあきらめなければならないかもしれません。先ほどのリスクとリターンの関係と同じことでしょう。しかしうまくいっていない時期に投資手法が間違っているかいないのかというのはどうやって判断するのでしょうか?私は論理的根拠がしっかりしていて合理的かどうかがすべてだと思っています。洋書を読むようになって感じていたことですが、うまくやってる人は皆非常に合理的でした。儲かるための合理的な理由がはっきりとしていました。
「長期間ほどリスクが低い。期間が長いほどリターンのちらばり幅が狭まる」
バフェットのいう長期では体重計で短期では人気投票というやつです。長期投資家ではない人のほとんどが長期ほどリスクが高いと思っています。予測できないことが次次起こるからということでしょう。ここであれこれ書くのは長くなるのでやめます。
「ドルコスと平均法はよい」
「機関投資家の運用はゼロサムゲームである。他の機関投資家が売ったものを買っているのである」
機関投資家も欲張りな愚かな顧客のために短期でのリターンが求められているのです。バフェットは低いハードルを探すと言ってます。短期での売買をしないという意味だと思います。短期では効率的だが、長期ではちがうと述べています。たとえばアメックスが詐欺にあって、保険金を支払わされた事件が起きたときにバフェットが買った話があります。短期では確かに利益を圧迫しているわけだから下がるのは正しいのでしょう。市場は効率的です。ですが、その会社のもつ事業の競争優位性に変わりはなかったのです。ここに短期では効率的だが長期では効率的ではない実例がちゃんと示されているのです。
「市場平均を継続的に上回れる人はごくわずかで、銘柄を探すのに手間がかかる」
グレアムと同じことを言ってます。平均を上回るのは相当な努力が必要なのです。ほとんどの人にはインデックス投資が最も最適なのです。
「クローズドエンドファンドがディスカウントで売られているときに買うとよい」
ETF等がクローズドエンドファンドです。ディスカウントとは40%以上純資産以下で売られているときにという意味です。ちなみに2010年後半現在MaxisのTOPIXETFがまさにその状態に該当しています。TOPIX指数が下がっているのに純資産はあまり下がっていません。この状態で買うとその多めの純資産から得られる分配金も大目になるためにリターンが高くなるということです。

効率的市場仮説 人工市場 Wiki


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是富金蔵さんのレビュー
LTCMの破たんの経緯についてはバフェットのスノーボールがお勧めです。私もあの本を読んでいてバフェットと同じように破綻するしかないと思いました。要するに分散投資して低いリスク(低ボラティリティ)であればハイレバレッジでも大丈夫みたいな理論だったのですが間違っていました。
「不特定多数の人間が参加する市場を、自然科学として扱ってるのが変じゃないですか?」と書いているのに「マンデルブロが禁断の市場 フラクタルでみるリスクとリターンという良い本を書いているので、一読を薦めます。」というのは残念です。この本は読んでいませんが、情報工学専攻中にフラクタルやカオスを学んでいたのでだいたいわかるのですが、ある数式に初期値を与えると自己相似形のグラフを作るという話です。それがリアス式海岸の形に似ているやら、カタツムリか何かの渦巻きの形に似ているというだけの話です。今度はそれを株価に当てはめたのでしょう。マンデルブロがそう主張するのは自分がすごい発見をしたと主張したいからだけにすぎないと思いますよ。要するにその数式と株価の変動が「似ている」だけの話です。ブラウン運動に似ているという話とさして変わらないでしょう。それよりは似ているというだけにすぎません。理論的根拠はどこにもないのです。似ていることが分かったところで株式投資で儲かるための何らかが得られるものではないと思います。そもそもマンデルブロさんは投資で儲けていらっしゃるのでしょうか?またフラクタルのほうのレビューに書いていますが、「市場が効率的なわけないことは、現場でやってるディーラーやファンドマネージャーには当たり前のことですが、」と書かれていますが、自分の職業を否定する理論を支持してその仕事をする人はいないでしょう。自分たちが無意味なのだと理解していたとしても高給取りなのだから黙っているはずです。カモ=顧客が夢を見て手数料を大量に落としに来てくれるのですから。「経済学は未だに300年前のニュートンの理論ですよ(笑)。現場の世界だけでも、物理学の世界くらいに進歩してほしいものです。」なぜ自然科学を当てはめるのですか。
「マネージドフューチャーズのファンドマネージャーは記録的な収益を上げました。」
長期的継続的に上回ることが重要なのであって一時的なことでは意味がありません。ハイレバレッジをかければどこかが記録的な収益を上げるでしょう。また優秀ではない投資信託は途中で消えるために高い運用成績を持つと錯覚すると本書に書いています。マネージド・フューチャーズとして生まれたファンドはすべて現存し高い利益を上げているのでしょうか?うまくいっているファンドだけを見ても仕方がありません。本書ではそういうことを主張しているのですが、理解しているのでしょうか。注目のマネージド・フューチャーズのヘッジファンドってどんなの?
「インデックスファンドやETFをドルコスト平均法で買い続けた人たちは、一体どうなったのでしょうか。 」
ダウ平均チャートを見る限りでは2010/11現在昔から続けているほどプラスなんじゃないんでしょうか?日本では20年前から基本的に下がっていますが、これも長ければ長いほどよいですし、これからも時間がたてばたつほどおそらく優位性を発揮するでしょう。ただ長すぎるかもしれないリスクがあります。明らかなバブルでは避ける等の工夫は必要ですし、本書でもその点にはほんのすこし触れています。
この人は基本的にテクニカル派のようで、本書ではボロクソにいわれているので気に入らないのでしょう。バフェットの本も2冊ほど読み高い評価を付けているようですがいずれも漫画本です。
REFIGHTさんのレビューですが、書いていることが全くおかしいですね。何らかの無意味な動きからパターンを発見しようとするからだめだと書いているのが本書なのになぜその本を批判しているのか・・。バフェット等の本をかなり読んでいるようですが、単純な指標PERやPBRが低い銘柄への投資が市場平均を上回っているということを書いている本を特に勧めています。
「インデックスファンドが商品として異常に売れてしまったという皮肉な結果も重なって、リスクが高くなりすぎて、ここ10年以内に発生したベアマーケットで生じた損失は想像以上のものであったと思います。」
2000年のバブルがインデックスファンドのせいだという意味なのでしょうか?そうは思えません。
「ウォーレン・バフェットが言うように、ランダムウォーク理論に基づく戦略では「カードの中身を見ずにポーカーをやる愚か者。」」
たしかにそう言ってますが、株というのは人類に振りかかる問題を乗り越えて努力をする人が企業価値を高めるため最終的にはプラスのリターンを上げるというようなことを言っていたと思います。つまりインフレに見舞われても代替製品を作り価値を生み出し続けるのです。人々が経済活動を続ける限り、不況が来ても戦争が起きても株価は最終的に上がります。問題は己が生きている間に上がるかどうかですが。
「私自身は本書を投資について学び始めた比較的初期の頃に読んだのだが,直感的に「ここに書かれていることはきっと真実に違いない」と思った。 私自身は本書を投資について学び始めた比較的初期の頃に読んだのだが,直感的に「ここに書かれていることはきっと真実に違いない」と思った。 」
事実である部分と、その事実から著者なりの考え方の2つがあります。事実は事実として誤認をせず受け止めるべきでしょう。そこからどう考えるか市場平均を上回るには何があるのかというのはバフェットやピーターリンチを見るのがいいと私は思います。この著者のマルキールは大学教授です。こういう職業の人は自分の業績を凄いと見せつけたいがる傾向があります。極端な例では韓国での考古学者の捏造とかありましたね。理系の学者は数字を使った理論を使うために間違った理論というのがあまり出てこないのですが、文系の学問、経済学という学問は理系の私から見ると、怪しい理論が多いです。ソロスなども経済学に無理やり物理学などの考えを持ってきて成果を上げようとする学者を非難していますが同じ考えです。事実は受け止めても考え方まで無批判に受ける必要はありません。ましてや彼はインデックスファンドを運用しています。つまり宣伝行為も兼ねているわけです。

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